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ISDNの導入/利用





− 1−1.ISDNのメリット −

ISDNとは総合デジタル網であり、1契約で2回線分の利用ができること、 またインターネット接続も64Kbpsというアナログモデムの接続に比べて、 高速のデータ通信が可能となるメリットを持っていて、いわば最大限に電話回 線を使いこなすことができる優れものがISDNなのです。 導入後に実感するメリットとしては、インターネットを楽しんでいても、もう 1回線が空いているため話し中にならず、電話を受けたりかけたりできること。 これから説明するTAと呼ばれる機器のタイプによっては、数台ある家の電話 機をポート別にTAに配線すると、それぞれの電話機に内線番号が与えられ、 電話の転送や内線通話も利用できるようになります。

− 1−2.フレッツ・ISDN −

ISDNのメリットは、64/128kでの高速インターネット接続などのメ リットがあり普及しておりましたが、ISDNも月額数千円でインターネット 接続放題の「フレッツ・ISDN」サービスが開始したことにより、ここ数年 では急速に普及しております。 フレッツ・ISDNは対応プロバイダをNTTの地域IP網と呼ばれるネット ワークを結ぶことで、常時インターネットに接続していても定額の使用料で利 用できるサービスで、ISDNは基本的に1回線をインターネットで常時使用 していても、もう1回線空いているため電話着信などももちろん可能です。 ISDNにはTAといった機器が必要ですが、さらにルーター機能と呼ばれる LAN機能を有したTAを利用すれば、フレッツ・ISDNと組み合わせるこ とで家庭内のコンピューターを全て常時インターネットに接続することを可能 にできます。

− 2−1.ISDNの導入に向けて −

ISDNはデジタル通信網なので、今まで利用していたアナログタイプの電話 機はそのまま接続しても使えません。そこでアナログ電話機を接続するための 機器やISDN網に接続するための機器が必要になります。 ここでISDNを導入するにあたって必要となるものをリストアップします。 ・DSU (ISDN網に接続するための機器) ISDN網に接続するためには先に説明したTAやISDN網に接続するため の「DSU(Digital Service Unit)」も必要になり、少し難しいと考えてしま いがちですが、導入をしてしまえば今まで通り、またそれ以上の電話やインタ ーネット接続が可能となります。 ・TA (普通の電話機やパソコンなどと接続するため機器) 今まで利用していた一般的なアナログ電話機やFAX、アナログモデムなどア ナログ回線用の機器は「ターミナルアダプタ(TA)」と呼ばれる機器を利用 してアナログ/デジタル変換を行うことで今まで通り利用できます。 ・または、上記の2つの機能を持ちあわせた「DSU内蔵TA」 導入には申し込み後に変更の電話確認が後日きます。そこでサポートなどをお 願いすればプロフェッショナルな方々が適切に対応してくれるますので、それ ほど知識のない方でも、おまかせするだけで完了させることも可能です。もち ろん、ISDNに変えることで基本料金はISDN基本料金になりますが電話 代や通信料金体系が変わりません。

− 2−2.パソコンとISDN機器の位置の決定 −

TAにはアナログ電話端子やPCと接続するCOMポートや最近ではUSB端 子が用意されています。このTAに今まで通りに電話機が使えるように家庭内 の電話を接続します。さらにインターネットを利用するパソコンとCOMポー トやUSBポートで接続することで、ISDN特有の64/128Kでの高速 通信/インターネットが利用できます。 PCとTA間のCOMポートやUSBは規格上、数メーター以内に接続する必 要があるため、パソコンがある部屋にTAを設置することになります。先に説 明したように、TAとは家庭内の電話も接続されるために、電話配線をTAに 集中させる必要もあります。これはISDNへの変更工事として、ISDNへ の変更時の電話確認のときに工事を依頼すれば、適切に工事を行ってくれます。 −−− TAの位置問題の対処方法 −−− 例えば、1階のあるところに家の電話回線が集中していて、インターネットを 利用したいPCが2階に置かれている場合がわかりやすいでしょう。 対処方法としてはユーザーの希望環境によって異なりますが、家庭内の電話を 接続するTA1とPC用のTA2を置き、ISDNバスと呼ばれるデジタル基 幹配線でお互いを結んで解決する方法もあります。   TAから数十m離れているところでもインターネット接続できるワイヤレス機 能による配線不要な親機/子機タイプのTAもあり、ワイヤレスで接続する方 も増えてきているようです。
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− 3.TA選びのポイント −

先の点も考慮して各メーカーから発売されている製品カタログなどを参考に、 TAを決定しましょう。最近はルーター機能やワイヤレス機能搭載のTAなど 人気のようです。 先々まで視野に入れた検討材料を優先順に示します。 家庭内の電話をPHSコードレスシステムにする場合は、TAにPHSシステ ムが入っているものもありますので、そちらを検討してみてください。 現在は、「DSU内臓TA」という製品で売られています。DSUが既にある 場合やISDNバスにTAのみを増設する場合には「DSU切り離し機能」を 利用して接続します。

− 4.ルーター機能の検討 −

最近では1家庭に数台のPCからインターネットを楽しみたいという方も多い ことでしょう。さらに通信料金面からプロバイダ接続を1回線のみで同時に数 台のPCからインターネットを楽しみたいと思う方も多いでしょう。 そこで1回線分の接続で同時に数台のPCからインターネットを楽しむための 機能が内蔵されたTAがあります。この機能を「ルーター機能」といい、TA にはLAN端子が用意されており、そのポートに個々のPCのLAN端子とケ ーブルで接続することで同時インターネット接続環境が構築できます。 全てのPCは、LANでTAを通じてインターネット接続されておりますから、 モデムは必要ありません。さらにLANでつながっているため家庭内LANも 同時に利用できるというメリットもあり、一石二鳥です。 ルーターはLAN端子が3〜4端子ありますので、各PCに対してルーターか ら個々にLANケーブルで接続します。ルーター機能付きTAの場合は、TA を設置する個所からPCを置く各部屋/個所まで依頼すれば必要な家庭内LA Nを整備まで行ってくれます。 ルーター機能は機種によって様々ですが、各PCからインターネット接続要求 があると自動的に設定しておいたプロバイダにTAが接続して、さらに設定し ておけばある一定の時間で自動切断するものや、PCからの操作で切断できる タイプの製品もありますので、調べておくポイントとなるでしょう。さらに端 子数が必要な場合には、HUBによる増設ができるものとできないものがあり ますので検討材料にしましょう。ISDNバスとルーター機能とは別ですので 注意してください。   家庭内LANなどの情報配線の詳細は別途「家のページ」で紹介しております。 また設定などのネットワーク情報は「ハイパーネットワーク構築」ページで紹 介しておりますのでご利用ください。

− 5.申し込み/実際の工事 −

ISDNの工事には2タイプあります。まず一般のアナログ電話回線からIS DNへ変更する工事と新規加入でISDN回線にする場合です。 −−− 個人的にISDNヘ移行できる場合 −−− 保安器からTAが設置される個所にモジュラージャックがストレートに配線さ れていて、そこにDSU内蔵TAなどをつなげるだけで工事が終わってしまう 場合は、NTTの交換機側をISDNへ変更工事するだけで完了してしまうた め、有料となるNTTの工事屋さんの手数料が省け、ユーザーが自らTAなど 設置などを行います。この場合、申し込み時の選択します。 −−− 配線の工事について −−− 家にISDNを引き込む場合は、NTTの保安器からの2芯配線はそのままの ケーブルが利用できますが、古いケーブルが利用されている場合は、ツイスト ペアケーブルへの変更工事が必要な場合もあります。 今まで使っていた電話機やアナログ電話用端子、配線もほとんどそのまま利用 できますが、TAが設置される個所にそれらの家庭内の電話配線が運良く集中 していれば、もっと工事は簡易化され、お金はほとんどかかりません。 ISDNも含め電話工事においてはLANの工事とは違い、デジタル3種以上 の工事担任者の資格を有している方のみ工事ができ、ISDNケーブルの接続 などの軽微なもの以外は個人的に工事はできません。そのため、電話工事屋へ 委託しなければならないため、ルーターやISDNバスを利用する場合はどの ような考案があるのか、どのようなことをしたいのかプランをしっかり作成し て伝える必要もあるでしょう。基本的にはやりたいことを伝えれば適切なプラ ンを提示して頂けるでしょう。 −−− ISDNルーター/LAN −−− ISDNの工事はNTTより専門の工事屋が派遣されて工事を行います。その 場合は規定の工事料金が必要になります。ルータータイプの場合、PCとの接 続はLANを利用するためLAN工事なども請け負ってくれます。

− ISDNの各種サービスの利用 −

ISDNはデジタル総合通信網であり、様々なサービスが続々登場しておりま す。そのサービスをうまく利用すれば、さらに快適な電話環境ができるかもし れません。 例えば、数百円からの定額料金払うだけで・・・ ・同じ市内局番の通話時間を3分10円から5分10円にする「タイムプラス」 ・電話番号を複数持てる「iナンバー」 ・プロバイダなどの特定先に時間帯によって定額でかけられる「テレほーだい」 定額インターネット接続の「フレッツ・ISDN」も一部の地域でサービスを 開始し、4500円でインターネットつなぎ放題も可能になります。もちろん ISDNですから1回線をインターネット接続をしていても、もう1回線が標 準でありますから、電話をかけたり受けたりなどもできてしまいます。

− TAのバージョンアップサービス −

新しいサービスが次々と提供されている今日この頃、忘れてはいけないのは「 ターミナルアダプタ(TA)」がそのサービスに対応できるかということ。 基本的には、新しいネットワークサービスには機器は対応できないと思います。 しかし、そんな時代の流れにも対応できるように、メーカーではインターネッ ト上などから、無料/有料でバージョンアップウェアを配布しています。手持 ちのTAが新しいサービスに対応できるか/できないかは、メーカーのホーム ページで確認してみましょう。 新しいサービスが提供される以外にも、TAがさらに安定して動作するように 基本動作ウェアのバージョンアップも提供されていますから、定期的にメーカ ーサイトをチェックしたり、メーリングリストに登録したりしておくと便利で すね。 この機器の動作ウェアのバージョンアップを「ファームウェアのバージョンア ップ」とも言います。
Last updated; 2001.8.12
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